金魚すくいの金魚を上手に飼育する方法

飼育の基本

夏祭りの縁日でトップクラスの人気を誇るのが金魚すくい。そこで今回は、その金魚を上手に飼う方法を考えてみたい。

まずは金魚すくいの金魚を知る

基本的に金魚すくいの個体は和金がほとんど。

いや、和金というよりは「撥ねもの」という、選別から漏れた金魚達が多く、熱帯魚屋やペットショップ等では「餌金」として扱われるような個体である。また、金魚すくい用に無理矢理に大量ブリードされた個体も出回っており、正直なところ、あまり丈夫な個体でないものが多い。

さらに言えば、常時人間の手で追い回されているのだから、相当のストレスを受けている個体が多く、すくった時点で弱り切った状態にあるわけで、大抵の場合は長生きできないのである。

こんな金魚達なのだが、とってつけた劣悪な飼育環境で飼われてしまうのも長生き出来ない理由の一つに挙げられる。出来ることならば、下記の記事をざっと斜め読みしてから、以下の話に進んでもらいたい。

 

迎え入れたら慎重にトリートメントを

そんな弱った金魚達なので、すぐに水槽に入れるのは極力避けたいところ。既に金魚を飼っているならば、尚更の事で、少なくとも2、3日はじっくりとトリートメントする必要がある。

そこで死んでしまうようならば、いずれにしても長生き出来ない金魚達だったと諦めるべきだし、生き残った個体であっても何かしらの疾病を抱えている可能性もあるので、さらなる観察が求められる。

さて、そのトリートメントの方法だが、10Lほどの入るプラケースとエアポンプ(ブクブク)+エアストーン、粗塩を用意する。もし揃えられるならば、初めから全てが揃っている金魚飼育水槽セットでもかまわない。

 

 

そしてトリートメント水槽を用意出来たのならば、次に粗塩もしくは専用の塩タブレットを用いて塩分濃度0.5%の飼育水を作る。無論、カルキ抜きも忘れずに。

ちなみに、これはトリートメントに使う水槽なので、この時は底に敷く底床(砂利)は不要。水温は28℃前後に調整し、十分にエアレーションを施して1時間ほど水を馴染ませておく。

先にこういったトリートメント水槽を用意しておけばスムースに事が運ぶのだが、事前に用意ができないのであれば、極力水量の稼げる容器を用意し、最低限0.5%の塩水浴だけは行うようにする。そしてすぐにでもトリートメント水槽を用意するようにしたい。

さて、トリートメント水槽が用意出来たならば、すぐに金魚を水槽に入れるのではなく、30分ほど袋に入れたまま浮かべて水合わせを行う。そして袋の水温と飼育水の水温がほぼ同じになったところで、金魚のみを水槽に投入する。間違っても袋の水は入れないように。

 

なんで金魚すくいの水を入れてはいけないの?

金魚すくいの水は、不特定多数の人間が手を入れるので、その油脂やゴミ等が浮遊している。

そういった有機物は腐敗しやすく、そうなるとせっかくの奇麗な飼育水が汚れてしまうので、なるべくなら入れないほうがいい。そうなってしまうとなんのためのトリートメントなのかが解らなくなってしまうからだ。

また、一部タチの悪いテキ屋は、ポイ(金魚をすくう紙)が破れやすいようにわざと重曹を吹き付けていたりするので、金魚すくいの水は極力使用しないことをお勧めする。

 

トリートメント中の観察

無事に金魚をトリートメント水槽に投入する事ができたら、個体に異常がないかどうか、とにかくじっくりと観察する。

傷や尾が裂けていたりする程度ならそのまま観察するだけで十分だが、白点や寄生虫がついているようならば専用の薬を用意して治療をしなければならない。

ただ、体力が弱っているところでの魚病薬の投与は、逆に金魚を弱らせてしまうことにもなりかねないので、とりあえずはそのまま様子をみよう。

そして、この水槽に投入時についやってしまいがちなのが「餌やり」である。

くどいようだが、金魚すくいの金魚は衰弱している個体が多く、無闇に餌を与えても消化器系の負担を増やしてしまうだけなので、投入直後の餌やりは絶対にやってはいけない。

また、それだけでなく餌やりは飼育水の汚れにもつながるので、ここはやりたい気持ちをグッと堪え、ただひたすらに観察する事に努めたい。

 

トリートメントの終了

そんな具合に2、3日間様子を見て何も問題が無いようであれば、とりあえず1/3程度の水換えを行う。

その水換え後、金魚が元気な様子を見せたら、ここで初めて餌やりをする。

この餌やりは、金魚に体力を付けさせるためのものだが、最初は米粒の半分程度の専用餌を3〜5粒程与える。餌は金魚専用の餌で、浮上タイプの餌よりは沈下性のものが望ましい。

 

もし食べ残してしまったら、すぐに残り餌をすくい取るようにしよう。

その程度の量だともっと餌を欲しがるような仕草を見せるかもしれないが、一度に多く与えすぎるのはNGだ。

この時点ではきちんと金魚が餌に反応して食べてるかどうか、という点に着目しつつ、泳ぎ方が不自然ではないか、体色に色艶が出ているか等、きちんと個体の状態を観察しよう。

そして一週間ほど経って何も問題が見受けられないようであれば、ここで初めて本水槽へと投入する。

その方法については

また、病気になっているようならば

を参考にしてほしい。

 

最後に

金魚すくいの金魚達は本当に乱雑に扱われている。

金魚を「飼う」楽しみよりも「すくう」楽しみの方に重点を置かれているのだから、それは致し方ない部分なのかもしれない。

ただ、そんな金魚とて一つの命である事に変わりはない。単に「すくう」事だけにとらわれるのでなく、きちんとその後の面倒を見てやる事が飼主、いや、人間として最低限の努めではないかとモフチョは考えている。

金魚は長寿でとてもよく人に慣れる魚だ。上手に飼ってあげれば、ペットと同じような愛着感が沸くものである。

そして、この金魚すくいを通じ、一人でも多くの方が金魚飼育に関心を抱いてくれれば幸いである。

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Posted by ドン・モフチョ