金魚の主な病気と治療法

病気と治療

金魚を飼うと、必ずと言っていいほど頭を痛めるのが病気と治療法だろう。

出典:日本動物薬品(株)

正直、魚の病気を治すのは相当難しいことではあるが、ざっとその治療法をまとめてみたいと思う。

主な病気とその対処法

魚の病気の原因を断定する事は非常に難しく、適切な処置が施されずに死んでしまうケースも少なくない。

また、病気が目に見えて明らかになった場合は末期症状となっているケースがほとんど。完全に治癒させる事はより難しい物になってしまうので、日頃から健康状態をじっくりと観察する事が大切だ。

魚の病気を治療する事を一般的に「薬浴(やくよく)」と呼ぶ。

この薬浴には市販されている薬を用いるのだが、一部治療薬の中には発がん性物質が含まれているものあるので取り扱いには十分注意したい。また、使用に際しては説明書に記載された規定量をきちんと守るようにしよう。

以下は主な病気とその症例について述べるが、一概に言い切れない部分もあるので、複数の本やネット等の情報を得て、総合的に判断して頂ければと思う。

 

スレ傷

砂利や装飾品、給排水パイプ等によって身体が傷つく事を総じてそう呼ぶ。飼育環境に問題が無ければそのまま放置しても治癒するが、これが原因になり他の病気を引き起こしたりする事もあるので注意したい。

治療法

具体的な方法は無いが0.5%の塩浴をさせ、少量の水換え(水量の1/5以下)を頻繁にして代謝を高めると治りが早くなる事がある。

 

白点病

1mm程度の白い点が無数に付着する。

水質の悪化や急激な変化によって魚の粘膜が痛み、その隙を狙って繊毛虫が体表面に付着することから発症する。また、この繊毛虫を根絶させるのは難しいので、繊毛虫が付かないよう金魚の状態を良好に保つ事も大切だ。

治療法

市販されているメチレンブルー溶液(グリーンFリキッド等)を使うか、0.5%の塩浴をさせて水温を30℃ぐらいにまで上げると取れる。

 

ただしこれで繊毛虫自体が死ぬ訳ではないので、白点が消えたら頻繁に水換えを行い、その数を減らす事に努める。

 

尾腐れ病

尾びれが溶けるように、もしくはささくれるようにして無くなってしまう病気。主にエロモナス菌やカラムナリス菌に感染して引き起こる病気。スレ傷から感染するケースも少なくはない。

治療法

抗生物質を含む市販の魚病薬(観パラD、グリーンFゴールドリキッド、グリーンFゴールド、エルバージュエース等)を使う。

 

ただし、これらの魚病薬を水槽に直接入れると、濾過バクテリアに悪影響が出るため、別の容器に魚を移して使用する事が望ましい。

 

穴開き病

身体の表面に腐ったように穴が開いてしまう病気。エロモナス菌やカラムナリス菌の感染症と言われているが、ヘルペスウイルスによる症例もある。

治療法

尾腐れ病同様、市販の抗生物質を含む魚病薬(観パラD、グリーンFゴールドリキッド、グリーンFゴールド、エルバージュエース)を使う。ただしヘルペスウイルスには効果がなく、重度の場合はすぐに魚を取り出して処分する。

 

ポップアイ

その名の通り、目が飛び出てしまう病気。エロモナス菌による感染症の可能性が高いが、エアレーションの気泡がを引き起こす事もごく稀にある。

治療法

市販の抗生物質を含む魚病薬(観パラD、グリーンFゴールドリキッド、グリーンFゴールド、エルバージュエース)を使う。

 

松かさ病

鱗が逆立ち、身体が膨れているように見える病気。これもエロモナス菌による感染症の一つ。

 

松かさ病を患った金魚

 

治癒率が低く、別名「不治の病」とも呼ばれることもある。そういったことから、改善の見込みが全く無ければ処分する事も必要。

治療法

市販の抗生物質を含む魚病薬(観パラD、グリーンFゴールドリキッド、グリーンFゴールド、エルバージュエース)を使う。

 

水カビ病

身体に白いカビのようなものが付着する病気。スレ傷から発症する事が多い。

治療法

市販の抗生物質を含む魚病薬(グリーンF、グリーンFリキッド)と塩浴を併用する。

 

寄生虫

イカリムシやウオジラミといった寄生虫が付着する。寄生されたからと言ってすぐに死ぬような事は無いが、徐々に衰弱したり、傷口から他の病気が感染する事があるので、その都度適切に処置したい。

治療法

肉眼で虫を確認出来るのならばピンセット等で直接取り外しても良いが、金魚の扱いに慣れていないと逆にダメージを与えてしまう事があるので、市販の抗生物質を含む魚病薬(リフィッシュ、トロピカルN)を使用するのが無難だろう。

 

ツリガネ虫病(エピスチリス)

白い点が米粒ぐらいの塊ならば、白点病ではなくエピスチリスを疑う。

これ自体が魚にダメージを与える事は無いが、ツリガネムシが付着した部分から他の感染症を引き起こす事がある。ただし、脂肪分の塊や角質層が変化してそう見える事もあるので注意。

治療法

これといった治療法は無いが、メチレンブルーもしくはマラカイトグリーンの入った薬を使い、効果が無ければ寄生虫駆除の薬品(トロビカルN、リフィッシュ)を使用すると治癒する場合がある。

 

転覆病

バランスが取れず、横になったり腹部が浮いてしまう病気。主に流金型の金魚がなりやすい。原因は消化不良によるものが大半。

治療法

水温を22〜26℃(消化機能が最も良く働く水温)に合わせ、2〜3日ほど断食させると治ることも。また、餌が原因となっているケースが多く、餌の見直しすると良い。

 

追い星

2〜3mm程度のやや先端が尖った白い点が、えらぶたやひれの端に集中して発生する事があるが、これは白点病ではなく「追い星」と呼ばれる繁殖行動を表すものなので、病気と勘違いしないように。ちなみに金魚の場合、この追い星はオスにたくさん現れる。

 

治療のポイントとコツ

大半の病気はエロモナスやカラムナリスといった、水槽に常駐する菌によって引き起こされる。

これは人間でも同じ事が言えるのだが、環境の変化、ストレス等によって免疫機能が低下した時に感染しやすくなるので、いかにストレス無く飼育出来るかが重要だ。

またこれらの病気は、ヘルペス以外のものは基本的に伝染する病気ではなく、飼育環境が悪化して魚の免疫力が低下し、その結果として感染するものと認識しておきたい。

薬を使って治す事も大切だが、同じ環境で飼育する以上は病気が再発する可能性は高い。治療と並行し、飼育環境自体を見直す事も大切である。

 

トリートメントタンクの必要性

薬の中にはバクテリアにダメージを与えるものが少なくなく、これをそのまま水槽に投入すると飼育環境を悪化させるケースもあるので、トリートメントタンクと呼ばれる別の容器に魚を移して薬浴させた方がなにかと安心だ。

 

基本的に薬浴は長時間するものでは無いので、トリートメントタンクはブラケース程度のもので十分対応出来るが、使用する薬の量を把握しやすくする為、最低でも10ℓ程度の水量を確保できるものを選ぼう。

死んだ魚はすみやかに処分する

トリートメントタンクに移した場合なら気を揉む必要は無いが、死んだ魚をそのまま放置すると著しく水質、環境が悪化してしまうので、二次被害に遭わない為にもすぐに取り出すようにしよう。

 

まとめ

金魚に限らず、魚が病気にかかった場合は手遅れであることが多く、完治するケースは少ない。

無論、できる限りの手を尽くして治療することが望ましいが、治る見込みが無いと判断したら即座に処分するケースがあることを肝に銘じておこう。

非常に辛いことかもしれないが、これもまた飼育者の務め。そこから命の尊さを学ぶことも大切なことだと思うので、最後の最後まで自身の手で適切な処置をしたいものである。

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Posted by ドン・モフチョ